かんげき

観劇が趣味の静岡の大学生、舞台の備忘録。

熱海殺人事件new generation

つかこうへい。

私の中の初つかこうへいは「リングリングリング」

独特のセリフ回し、どこまでも深いセリフ。とにかく圧倒されて、興奮して、帰れなかった。そんなつかこうへいとの初対面。

演出と演技がすごかったのかもしれない。そう思ってだけど、全然違いましたね。

 

つかこつへいってヤバい!!!

 

きょう改めて気づかされた。

戯曲が生きてる!生きる化石のようにあり続けてる!愛され続けてる!

 

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木村伝兵衛(味方)の事務所で繰り広げられる取り調べ、いや、脅迫かなあれ。富山から女を置いて赴任してきた熊田(多和田)。伝兵衛の愛人で婦人警官の水野(文音)。事件の容疑者、小山金太郎(麻璃央)。

 

アイコを熱海旅行に誘った大山。なぜかそこで殺人に及んでしまう。
愛がすれ違い、行き着いた先は殺人。

 

自分の検挙した事件を、おもしろく、かっこよく、歴史に残る事件に仕立てるためならなんでもする権力の主、伝兵衛。そのまわりで反抗しながら伝兵衛のやり方に引き込まれていく熊田。伝兵衛との絡みで場を壊しにかかる水野。

自分のおかした事件がなんか変な風に改ざんされていく容疑者、大山。

そんな改ざんを繰り返し、事件の全貌が判明しだす。

 

 

とにかく、ニュージェネレーション。

なんかもう、ね、これが演劇ですよね!

 

なんじゃこりゃあああああ!こんなんあり?!ってなるのが私のすきな舞台。

演劇でしかできない演劇が大好きなんだ。

 

ひっさしぶりに、観てて胸が高鳴ったよ。

 

今回の熱海は、ザ演劇で、もろ楽屋で、むしろミュージカルで、いやはや次元をさまよって、そしてなにより、つかこうへい。

 

イヤァ、最高すぎかよ?

 

容疑者、青山の登場、まじかよ?!

舞台序盤で登場人物紹介、2.5かよ?!

役者がはけない舞台だなあ、っておもったらここ楽屋かよ?!

あ、ここ休憩なのね?!

キャラ失ってるやん!それ味方じゃん?!

それってどこまで、アドリブ?!いや全部アドリブやんな?!?!

生のおふざけ大万歳!!!!!

これでこそ、舞台だよ!ニュージェネレーションだよ!!

 

サイコウ!!!手を叩いて、手を叩いて、手を叩いて見るべき舞台。

 

客席の観に来ていたオフの役者舞台にあげちゃったり、特別ゲストきちゃったり、自由だなー、暴れてんなー、お客さん楽しませてるなー、最高だなー!

毎回、今回が一番おもしろかった!って言える舞台になってるんじゃあないかなと思いました。

ちなみに私が行った時は、久保田創さん。

暴れすぎて照明倒しちゃうし、段取り全然理解してないし、みんなに絡んじゃうし、もう、ありがとう!!楽しませてくれてありがとう!!

 

そして、やっぱり毎回感動させられ、舞台を盛り上げ、引き立てるのが技術ですよね。

照明、派手すぎるぐらいとにかく派手。リングのときも思ったけど、つか作品は派手派手な照明が本当に似合う。早回しでガッツガッツなセリフにバアアアアンって照明が入って、消えて、色が変わって、筋が見えて、役者の汗が輝いて、これが正解だなっていつも思う。

 

音響、キックにドカッとかまさにな効果音が、こんな効果音つけるか〜って予告映像とか見てて思ってたけど、この舞台にはこれがないと始まりませんな?とことんコメディ性をだす。これによって事件自体がコメディタッチで進められて行くんだけど、コメディコメディで進むにつれて核心について行っていつの間にかつかこうへいの激アツワールドが炸裂しているという、自分なりに考えた仕組み。

 

オンオフオンオフってすごいメリハリで、どんどん話は進んでいって、気づけば超緊迫シーン。どんどん引き込まれていく舞台でした。

本当に楽しくて大好きな作品になりました。

 

 

 

この辺からただの思い出し、覚え書き、ただのネタバレ垂れ流しです。悪しからず。

東京で体を売る仕事の中でも最底辺をさまよって、東京の女を演じているアイコ。油まみれになりながら故郷の長崎を思って働く大山。
湘南じゃなくて熱海。夜の海、東京の客にみつかるアイコ。そんなアイコに故郷を思い出させたい、一緒に帰りたい大山。そんな大山とは反対に東京で生きて行く決意をするアイコ。幸せを求めるアイコ。1人で海を見るのは寂しいよ。東京なんかじゃ幸せになれないと大山。故郷に帰ろう!おれは、相撲大会優勝の男だアイコ。お前を幸せにする。それでもアイコは東京にすがる。なんでだアイコ、おれが臭いか油臭いか、そうか、おれは故郷のために汗水垂らしてはたらいているんだ。なんで熱海なの、ダサいんじゃないの。湘南は俺に似合わない、湘南じゃなくて熱海なんだ。

アイコは故郷を忘れた。俺を忘れた。髪も爪も心も東京に染められた。

私はもう東京の女。でも金ちゃんは私に故郷を思い出させてくれた。

 

こんな感じで愛がすれ違い殺人にまで発展するというわけですね。

最後の海でアイコと大山が語るシーン、とにかく、イイ!めっちゃ長いんだけど、全然飽きない、これから大山が殺すんだろうなっていうのは分かってる分、どんどん大山の気持ちの揺れ動きが伝わってくる。

 

しかし、この時私は最高にトイレへ行きたくて、早く殺してくれ、早く殺してくれ、と念じてたわけである。

いつも子供に今トイレに行きたくなくても行っておいで!って行ってるけど、本当に、観劇前、駅でトイレ行ったからって、もう一回行くことが大切です。でした。

 

以上。

円盤化してくれ、でもどの回を収録するんだ?

千穐楽がいいな、、、、!