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かんげき

観劇が趣味の静岡の大学生、舞台の備忘録。

Take me out

2003年トニー賞作品、初めての日本公演。


黒人、白人、日本人が混在する架空のアメリカの野球チームのロッカールームで起きる話。
人種差別、国籍、同性愛、格差、家庭環境、歴史、すべてが絡まり合う。
戸惑い、翻弄される仲間たち。
裏切り、裏切りあう親友たち。

 

180度の舞台、可動式のセット、ほんとうに躍動感と臨場感がすごい。どこから観ても毎回違う顔をみせてくれる藤田演出に魅せられた。
みればみるほど、深まる理解、噛み締められる感情にどハマりしてしまった作品。3回目でようやく、物語、感情、言葉、表情、演出を理解して、ピースが合わさったように感じた。

 

ゲイと告白したダレン、心に闇を抱えるショーンは受け入れてもらえなかった、受け入れて欲しかった、受け入れてもらえると思ってた、愛する仲間にこそ分かって欲しかったっていう風に感じる。

違うチームのスーパースターで大親友デイビーにもっと自分を出せよ、って言われた後ダレンはゲイを告白する。しかしそのことでデイビーに拒絶されるダレンっていうのがわたしの中で本当にアツイ。舞台で今までこんなに気持ちが乗ったことはないよ!ってぐらい高まるシーンです。不謹慎ですかね笑

 

そして、みんなのため、俺がみんなのためにと後ろで手を回していくキッピー。当たり障りのないフラットで舞台をまわしていくナレーターを兼ねた役だと思っていたら、ある意味、彼がこの世界をひっちゃかめっちゃかにかき乱しているように感じました。なんて素敵な役どころ。

最終的にダレンやショーンと共にチームのそとに立つことになってしまうというとても悲しい役。素敵です。キッピー好きだよ私は。

 

同時期に観たレントの中の皆様はみんなが分かりあってて、支え合う中でぶつかっちゃって、と。いろんな世界、どこにいてもいろんな悩みがあるなあと感じたわけです。

 

そしてちょっと引っかかったのが、ダレンがゲイと告白したことで、なんで他の選手たちはあんなに気にし出したんだろう。現代という設定で、、、ちょっとひっかかる。
みんながダレンがゲイってことを気にしすぎて、自分の中のセクシャリティが刺激されて出そうになってるのを必死に抑えた反動がみんなのアレ、意味は違うけど照れ隠しなのかなって考えてる。そもそもの話すぎますけどね。


役者さん、特に素晴らしいです。心さんの人間味、章平さんの感情、良知さんの可愛らしさ、味方さんの軽快さ、Spiさんのスター性。他にも素晴らしい役者さん勢揃いのカンパニーです。
演出の藤田さん、蜷川監督を継いでるなと感じます。高みを目指す熱がすごく、一公演ごとに進化を感じます。
翻訳の小川さん、無駄がなく、的確で、絶対的な翻訳。翻訳の力すごい。

 

とにかく、アツイ作品。

観劇はやめられませんね。楽しくて仕方ないです。いろいろな世界に連れて行ってくれる。
Take me outしてくれる存在がメイソンにとって野球だとしたら、私にとっては演劇だなとひしひし感じます。

 

Take me out 本当に感謝。