かんげき

観劇が趣味の静岡の大学生、舞台の備忘録。

ちはやぶる神の国-2017

4/19ちはやぶる神の国 チーム安土初日。

話はシンプルに「本能寺の変

知ってるだけあって入りやすい。

 

下手から伸びる花道。

花道から客席に伸びる階段の下には小石が敷いてある。

この小石のぶつかる音、踏みしめられる音、すごい味を引き出していた。

スポットを多用する照明。場面場面を切り取るのに、語り部を残すのに、いい効果。前後2段階のサイドスポットがお気に入り。そして特に前明かりなしで、役者のシルエット残すシーン、記憶では2回がやばい、美しすぎる。劇中で流れる音楽も芝居を邪魔していなくて素敵。

 

今回は本能寺の変を小姓たちの目線で書いているようだが、言われてみれば信長主体というより、周りがどう翻弄されていくか。というところにスポットが当たっていた気がする。

時代劇、お堅い印象だったが、ベルに続くポップでロックなオープニングソング。おもしろいかも、そんなに気張らなくていいかも、と気分を高揚させた。

さらに、和太鼓披露。このために練習したクオリティではなかったから、俳優さんの武器かな。かっこよすぎた、最高でした。

 

話は、主に荒木村重の謀反から。そこでさくっと小姓、万見仙千代が戦死。なかなかいい演技、表情だなと思ってきたので残念。

初めての殺陣シーン。ああ、これが殺陣か!とポッカーンとしていた気がする。

 

そして話はどんどん進み、(ネタバレです)

ちはやぶる版、本能寺の変は余命宣告をされた信長は死をもって自分を神とすることを決意。そのためには、歴史に残る壮絶な死が求められた。そこで、一番の信頼を置く明智光秀に命と誉れをくれと。謀反を起こし信長を自害に追い込んだ後、徳川家康に殺されろ、つぎの日本を作るのは徳川家康しかいない、と約束を交わした。

 

このシーンに着くまでに、小姓や大名がわんやわんやと戦ったり、揉めたり、終始忙しい舞台でした。いいリズム、展開で2時間あるけど飽きなかった。

 

劇中で度々出てくる、好きな花の話。花のように美しく咲き、美しく散りたいという男たちの願望。

ラストシーンで桜吹雪の中、信長が自害するシーン。明智が自害するシーン。本当に美しかった。

りん片で伝えられる形ないもの大切さ、生きることの大切さを伝えているような気がした。

 

 

 信長と蘭丸はなんとなく男色関係にあるような書き方。健気な蘭丸がかわいい。

浅井長政お市の愛にうるうるっと。

あと私が好きだったのが、織田忠信。

あとすごい気になったのが、桜が散るシーンで扇風機がモロ見え...オン...ってなってしまった。むしろ花吹雪ってこうやって作るのかあと感心してしまった笑

 

そしてなにより、小柳心さん。池田興次。

心さんが出るから行く。出てなきゃ私が時代劇に触れることなんてなかっただろうな。

そんな新しい世界を見せてくれる心さんに感謝。

セリフこそ少なかったけど、圧倒的なオーラと存在感。

さすがです。私はこの演技、表情、声、立ち振る舞い、存在感に魅せられてるんだなあ、と改めて実感。

初めて心さんの殺陣も拝見。素敵!全然殺陣のことは分からないけど、ポッカーンと、目が輝いてたんだろうな、自分のね。

そして、なにより衣装が本当に素敵でした。セクシー!

そして出てきた瞬間、グワッッと脳が揺れるような衝撃。やばいぞ、これ、いいぞ!っていうグワッッ。それはもちろんビジュアル的にも、舞台の雰囲気的にも。

 

もっと高い所に立って欲しい。もっと殺陣もやって欲しい。もっと人を惹きつけて欲しい。

もっともっとが止まらない。いいもの見せてもらった!

 

 

ちはやぶる神の国、安土チームと桃山チームに分かれて4/23まで。時代劇見たことない方にもお勧め、わかりやすい舞台です。ぜひに。